やたらに。

やたらまぶしい光の中で、おまえが笑って手を伸ばして。

「兄さん、行こう!」

って、みどりの、丘の向こうを指すんだ。

その丘の上には、村で一番大きな木があって。

丘の向こうには川が流れてて。

「おう!」

オレは手を伸ばして。

やわらかな手をつかむ。

やわらかくて。

 

あたたかい。

 

 

 

>> やさしいてのひら

 

 

 

「・・・・・・・」

薄く目を開いた。

まわりは闇だった。

窓際の机に小さく、ガス灯のあかりがついて、ほの暗くて、視界が滲んでた。

「兄さん?」

かすかな声でアルが呼んだのを、聞こえはしたけど、首が動くほど目が覚めてなかった。

がしゃ、と遠慮するようにそれすらも小さく、聞きなれた音で、アルの。

鎧の腕が、オレの視界に影を作って。

滲まない視界にすこし、安心した。

「朝までは、まだ間があるからもうちょっと寝なよ」

ささやくような耳元の声。

そっと、髪をなでる感触に。

まどろみが潮を引くように、やってくるのを感じながら。

言わないと、いけないことがあるんだと。思った。

言わないと。

「アル・・・」

「ん?」

「お前の手、気持ちいいな」

アルは、笑ったみたいだった。

 

 

 

がしゃがしゃと、鎧を鳴らして。

「おい、あんま引っ張るなって!」

「あ、ごめん。兄さんとの身長差を忘れてたよ」

不意に立ち止まってこちらを見下ろすと、太陽が逆光だとまともに顔も見えないほど高くに。

「誰がどチビじゃ!うら、行くぞ!」

反対に引っ張って走り出す。

その手は、やわらかくも、あたたかくもないけど。

 

人のお前でも、鎧のお前でも。

同じくらいにやさしい。

 

 

 

 

 

ぐは(吐血)だからわたしは兄弟に何の夢をみているんですか(笑)
でもでもエドとアルの、問答無用にラブラブしいところが好きなんですー。
馬鹿みたいにお互いを思い合ってるとこが好きです。
だからうちのアルエドは照れるくらいラブです(笑)

2003.12.27 礼