>> love you
ありがとうを。
あなたにあげよう。
「・・・・・・何?兄さん。なんかついてる?」
「つ、いてない。別に」
感謝を込めて。
「そう?ならいいけど」
ありがとうと、
「・・・・・・・・・・・・ついてないなら、なんで見てるの?」
「見ちゃ悪いかよ!お前オレの弟だろ!?」
「弟は関係ないと思うけど」
あいしてるのキスを。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
あなたにあげよう。
指先を伸ばして。
目を閉じて。
心に溢れる、
「・・・・・なんで、ちゅー?」
思いを。
「悪いか!!」
「悪くないし嬉しいけど・・・・・。兄さん?」
伝えよう、あなたに。
「抱きしめてもいい?」
伝えたい。
「大好きだよ」
「・・・・・・・っ!」
伝えたいのに。
「先に言うんじゃねえ!」
「え?」
「・・・・・・・ッ」
「・・・・・・真っ赤」
「うるせぇ」
うまく伝えられなくて、先に抱きしめる。
まわされた腕にも力がこもる。
くすくすと笑う声。
「言ってくれないの?」
ありがとう。
いつもありがとう。そばにいてくれて。負けないででいてくれて。
笑っていてくれて。
「・・・・・・き」
「・・・・・・・・」
腕の力が不意にゆるむ。
「今・・・・?兄さん、今のもう一回」
驚いた顔。目をそらすと指先が追ってくる。
「もうやだ」
でも。
「ええ!?だって良く聞こえなかったよ!?」
「絶対やだ!」
ぎゅう、としがみついて離さないでいる。
「お願い」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
小さくため息。
頑固者はお互い様だけど。
諦めが、嬉しいような、寂しいようなときがあるから。
それでも。
ふたたび抱きしめてくれる腕と。
やさしいてのひらに。
「アル」
「ん?」
ありったけの思いをこめて。
「アル」
名前を呼ぶ。
「うん。大好きだよ」
特に鎧とか人とかをどっちでもとれるようにと思って書いたものです。
体がどんなでも、基本的なとこは、このふたりは変わらないだろうと思うので。
ちゅーしたらツノが刺さるとかそんなことは愛でカバーですよ愛で(笑)
04.5.7 礼